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「この階段を上がると二階フロアに出る直前で沢山のボールが転がる仕掛けがしてあります。当然足元を掬われますし、弾み方次第で身体の何処に当たるかわからないので、楽しみですよね」
執事くんは本当に楽しそうに微笑むが、ボールは何のボールだ?普通のゴムボールと言う訳でも無いんだろ?
それを見ながらマレオが再び何かを階段に翳す。
カチリと音がすると、これで何事も無く進めますから安心して下さい、と階段を登り始めたマレオ。
え、執事くんは?
と思えば彼はこの後、壁が崩れた後の玄関ホール奥の細工をするので残るそうだ。
実は壊される予定の壁も柱も天井も、脆く作られたフェイクで、それがもう一つあるのだと言う。
つまり、実際の天井は三階まで吹き抜けになっているのを、中三階の高さで一つ部屋を作り、その中に中二階の高さでもう一つ部屋を作ってあるのだそうだ。
そして奥には本物の幅広の階段があり。
「二つ目では水攻めをして、それが壊されたら、奥の階段はパイプを横に並べた滑り台にして登れずに滑り落ちるようにして。パイプに何か仕掛けを考えてる途中なのです」
と、とても楽しそうだ。
俺達のアドバイスなんて本当は要らないだろ、これ。
なので、頑張って、と声を掛けて、マレオを追い掛けてリュッセルと俺とミルガも階段を登った。
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