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錆の浮いた車体、朽ちて飛んだ埃。
いなくなった窓ガラス、穴の空いた座席。
そこに僕らは二人きり、生きる意味を探してる。
苦しい深海の底で、唄う歌を探してる。
救われないとは知っていて、変われないとは知っていて。
諦めることはできなくて、もっと幸せになりたくて。
「僕が僕であることに、後悔はしないのか?」
幾千幾多の自問自答、腐った水が飲み込んだ。
「どこにいこうともしないで」って、
「ここにいてくれればいい」って、
ただそれだけの暖かさ、
ただそれだけの声の色。
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