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「ちょ、待ってよ、ほむっ………んうっ、んんっ~~~はぁっ」
生物室の隣りにある準備室。いつもは、人が入れるスペースなんて無いくらい、ごちゃごちゃしている。
今回はたまたま綺麗になっているのを知っていたから氷川を連れ込んだけど。
「んんっ………は、ぁっ………」
触れるだけの軽いキスをするつもりだったのに。片付いたとはいえ、雑多な準備室に連れ込んでお互いの身体が触れた途端。歯止めがきかなくなった。
大きな瞳を潤ませて、下から見上げられるだけで、自分の中心に痺れが走る。早く全部手に入れて、ドロドロに甘やかして俺しか見えなくしてしまいたい。
それでなくても、好奇心旺盛なこいつのことだ。あちこちに気が散るのが常だから。
せめて、二人っきりの時くらいは俺でいっぱいにしたくなる。俺以外の事を考える余裕を、奪ってしまいたい。
だからだろうか。最近自分の自制が効かなくなって来ている気がする。
氷川の顔を見るだけで、抱き締めたくて仕方がない。もっと俺に依存して。俺が居ないと、生きていけなくなるくらい。
氷川はきっと、俺がこんなことを考えているなんて気づいていない。きっと、ずっと気づかない。
だから、お前には悪いけど。お前が気づかない間に、俺無しではいられないようにしてやる。
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