第1章

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『……ありがとう』 入学式の朝、心踊らせて登校していたオレは前を歩いていた少女が落としたハンカチを拾い、持ち主に返した。 すると彼女は無愛想ながらも礼をする。 そして少女は何事もなかったかのように歩き始める。オレもその少女の後を追うように歩き始める。 それにしてもあの娘結構可愛かったなあ。彼氏とかいるのだろうか? ……って、何を考えているんだオレは、入学式の日に告白して即フラれるという失態を晒すつもりなのか?それは許されないぞ。 いや、初見でも付き合える可能性があるなら告白するべきか? ダメだダメだ! どうやらオレは入学式というテンションの上がる雰囲気に飲まれているようだ。 ここは両頬を両手で叩いて冷静になるとしよう。 今日は入学式だ。 これからオレの新生活が始まる。
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