*おまけ

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足早に一度自室に戻った瀬乃山は、愛羅の左手を取り、リングを通す。 「え!? 用意してたんですか?」 「当然だ。何度プロポーズしたと思っている。……けれど、君がいつも拒むから。アクセサリーの指輪さえ嫌がるから、こんなに遅くなってしまった」 「……サイズ……」 束縛と、その先の約束を期待してしまうリングは、愛羅はずっと拒絶してきたから、瀬乃山がサイズを知るはずは無い。 それなのに、瀬乃山の用意していた指輪は、愛羅の指にピタリと嵌った。 「林に聞いた」 「花蓮さんに? ……どうして知っているのかしら」 花蓮の買物に付き合わせると見せかけてジュエリーショップに連れ出し、愛羅が何気なく嵌めた指輪のサイズを花蓮がしっかりと確認していたなどとは、愛羅は無論気付いていない。
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