五里霧中編_拾弐

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五里霧中編_拾弐

  私はギュッと胸を掴み、 今もこの胸に宿る、彼の加護を捨てる覚悟を決める。 「・・・・なら、聞いてください。」 鏡は壁に肩を凭れ、聞く体制をとった。 私はは深呼吸をしてから始める。 「私の母は 私がまだ小学校に上がる前、男の人を作って出て行きました。 私の父はそんな母への怒りを毎日私にぶつけるようになりました。 ・・・。 毎日、意識を失うほど殴られ、私は感情をそぎ落としていきました。」 鏡は悲し気に告げる。 「由紀、いいんだ。話さなくていい・・・・」
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