夢のカケラ・6

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「とりあえず道は開けたんだろ?」 「うん…… まだ認めてもらえた訳じゃないけど」 「だったら目的に向かって 努力すれば良いだけじゃん」 「努力、」 「そ、どりょく。得意じゃん? 地味にコツコツコツコツーー」 揶揄うような言い方が面白くないけれど、 確かに私はずっとそうやって生きてきた。 地元でトップクラスといわれる 高校に入れたのも、 生まれながらに優秀だった訳じゃなくて 地道にずっと勉強したきたからだ。 「賢ちゃん」 突然、運転席の方に身を乗り出した私を 賢ちゃんは怪訝な顔で振り向く。 「いきなり何だよ?」 この流れはきっと、 公園で本音を伝えろって言ってくれた 彼の思惑通り。 「私、分かった気がする」 「は? 何が?」
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