act.4

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 ――瞬間、 保の持つ日本刀の刃がひらめいた。 一瞬のことで、その軌道を目で追うことなど、誰にも出来ない。 保の刃は、高広の持つライナーの研究レポートを真っ二つに切り裂いていた。  ――パサリ―― 音がして、レポートの半分が地に落ちる。 そこここで餌を待っている火種が飛び込んできて、あっという間にレポートを炎で包んだ。 「!」 消そうとしても手遅れだった。 ライナーの研究レポートは白い灰と焦げた紙切れに化し、風にあおられて舞う。 「もういいんだ、高広」 呆然と、唯一残されるはずだった、ライナーの遺産の残骸を見下ろす高広に、保は静かに言った。 「もういいんだ」
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