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「わーき、起きなよ」
「いった」
那留が用事でいないある日の午後、昴は和希のピアスとイヤーカフをつなぐチェーンを軽く引っ張り、目覚めさせていた
「和希さぁ、最近俺に反抗的だよねぇ。悲しいなぁ」
ピアスのチェーンをいじりながらそういう昴
「そうでもないと思うよ」
「やっぱり、玲哉んとこの犬が気になるの?」
「え?」
「最近あれのこと考えてばっかりじゃん。なに?あれと一緒に玲哉にでも飼われる気ぃ?」
「...」
うっすら笑みを称えた表情に、ふざけた口調で話す昴
けれど行動とは裏腹に底冷えするような目をしていた
「...だとしたら、どうするわけ」
その返事に、口許から笑みを消した昴は、自分の耳に付けてある緑のピアスの横の、黒いスイッチのようなピアスを触る
----ビリビリビリッ----
「うあっ」
首もとのチョーカーから電気が流れ、苦しむ和希
その姿に満足そうな顔をし、ピアスから手を離す
そして電気を流され弱った和希を抱き上げると、膝に乗せた
「そんなの、ダメに決まってるでしょ?俺の、可愛い子猫ちゃん。自由にさせてるじゃん。何が不満?俺の側は、居心地が悪い?」
と問いながら、グッタリとした和希の頭を撫でる
「まあ、居心地悪いから逃げる、とか言っても野良猫になんかさせてあげないけどね。逃げようとするなら、自由なんかあげない。戦力は大幅に減っちゃうけど、しかたないよね。ケージに閉じ込めて、愛玩動物としてちゃああんと可愛がってあげる」
そう言う昴の美しい顔には、狂気が宿っていた
「やっぱ躾が必要かなぁ。誰が和希の飼い主かってこと、教えなきゃね」
まだ痺れが残り、動けない和希
いくら強いといえど、動けない和希は昴にとってただの子供だ
軽々と抱き上げ、奥にあるベッドへと運び、横たえる。
しかし気が変わったのか、
「まあでも、今回は許そうか」
と、その横に自分も倒れた
そして大人しくしている和希を腕に閉じ込め、
「和希、お前の飼い主は、この俺だ。他の誰でもない、この俺だよ」
呪縛のような言葉を吐き出して、目を閉じた
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