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『…きゃっ。』 玄関に入ってすぐ、背中に回した手で彩星の素肌に触れて。 そのままシースルーのカットソーを脱がせた。 『もういーでしょ?』 『やらぁー。』 恥ずかしそうに蹲ろうとする彩星を抱き上げて、寝室に連れ込んだ。 1番小さい照明にして、カーテンは薄いものだけ引く。 外から入る街の灯りと、昨日よりも欠けた月から降る柔らかい明るさだけで、彩星を襲いたい。 『ぶちょー…。』 『じゃなくて。』 『夏輝って呼んでごらん?』 『…なちゅき…………ちゅき。』 ますます呂律が回らなくなってるし。 告白大会、まだ終わってなかったんだね。 もっと言って。 俺のことが好きだって。 俺が欲しくて堪らないって、言ってよ。 『俺のどこが好きなの?』 『カッコよくて、きれーなとこれしょ、あとはぁーちょっと意地悪れしょー…あとー。』 今なら何でもリクエストに応えそうだ。 まだ答えを言い続けようとする、その唇を塞ぐ。 今度は、最初から深く、ちょっと乱暴に。 苦しそうなその表情が、俺を煽ってくる。 壁に彩星を追い込んで、触れていく。 『んんっ……。』 布越しに触れる、柔らかさ。 こんなに細いのに、相変わらずメリハリのある身体がくねる。 『どうしたの?』 『ふぁっ…やっ…。』 何を聞いても、艶声しか返ってこなくなって。 それも封じ込めてやりたくて、またキスをした。 耳にも、首筋にも。 『俺が欲しいの?』 ふぅっと息を吹きかけた耳元で問いかける。 手も、唇も、触れないまま。 『……ちゅきっ……もっと…して?』 もう、限界。 この破壊力は何なんだよ。 悔しいから、もっと苛めてやる。
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