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頬杖を付いてその俺専属執事を眺めていた。
「顔、真っ赤ですよ?」
ゆっくりその頬に指を伸ばして、ぷにぷにと押して遊んでみる。
すると余計に頬を膨らませていた。
「達樹はたまに恐ろしい事をしますよね」
「恐ろしい?」
「ツボ……押されまくりなんですが」
頬杖をしたまま泡盛を一気に飲むと、自分はそれ以上飲めないからか、ずるいって言いたそうだ。それをわかっていて、ちょっと意地悪に笑ってみせた。
「今日だけ俺の執事なんですよね」
「は、はい」
「気を付けてください」
何が? って不思議そうにしている。達樹は知らないから。俺がどのくらい前から達樹しか見ていなかったかを。
達樹が思っているほど聖人なわけじゃない。
どちらかっていうと変態だって事を、達樹は知らないから。
「照義? ……様?」
ニコッと笑って指を伸ばした。
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