【1】ミナミ 私の場合 1

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燃え盛る炎が全てを焼き尽くす。 何もかも奪われた。 私の願いも…、私の想いも…。 私の名前は愛風 南。 そして今私の向かいにいるのが私の弟。 愛風 鈴。 私の愛する人。 永遠に結ばれる事のない相手。 「姉さん結婚おめでとう…。」 「あ、ありがとう…。」 私は貼り付けたような笑顔を向ける。 鈴はそれとは正反対、怖いくらいに笑顔だ。 今日は私の結婚式。 私は幼い頃からの許婚であるお兄ちゃん、結城 司と結婚する。 司は私と鈴の幼馴染みで、旧知の中だ。 「そのウエディングドレスはアイツの趣味? それとも姉さんの?」 鈴が私を姉さんと呼ぶのは今日が初めての事だ。 なぜかすごくいやらしく感じるのは、私が鈴を強烈に意識してるからだろうか? 「私が選んだの。 司好みのドレスを。」 「そ…。」 無表情のその顔は何を考えてるのかわからない。 鈴が怖い…。 あんなに私を愛おしみ、守り抜いてくれたのに。 .
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