23.未来への階段

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「そういえば、こんな自然の中に二人で来るのは初めてですよね」 「そうだっけ。たまにはいいかなと思って」 「そうですね」 舗装された道路から一歩山道へ入ると、 川のせせらぎが聞こえてくる。 紅葉はもう見ごろを過ぎていて、今は人の姿は見えないけど、 シーズン中はきっとすごくキレイで観光客もたくさんいるに違いない。 川に向かって下る道ができていて、 でこぼこしたその道を手をつないだまま 一歩一歩進んだ。 すごく静かで、私たちの足音と、 川を流れる水の音しか聞こえない。 「キレイなところですね。 癒されます」 「良かった」 少し広くなった眺めのいい岩場で、 宮下さんは足を止めた。 柵がついていて、景色を眺められるようになっている。 端まで進んで下を見ると、真下には深い青色の川が流れていた。
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