第3章

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……なんでそんなこと、聞くの? 「……ふうちゃん。もうこないで」 「なんで……」   突然。 そんな。 訳がわからない。 「……ごめんね」   泣きそうな篠原さんの手が私の方に伸びてくる。 だけど私は、その手を思いっきり払ってた。 「篠原さんなんて大っ嫌い!」   鞄から出した鍵を叩き付けるようにテーブルの上に置くと、 あとも見ずに部屋を飛び出す。 追ってきて欲しいのに、篠原さんは追ってこない。 ひとりで駅に向かいながら涙がぽろぽろ零れてた。 ……なんで?どうして? こんな、急に。 なにか気に触ることでもしちゃったのかな。 私のあたまでいくら考えても、 結局答えなんて見つからなかった。
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