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俯いた瞬間、舜に抱き寄せられた。
「…!?」
「今更だけど、美玖のカレシに戻ってもいいかな」
舜が耳元で言った。
涙が頬を伝う。
「…今更私でいいの?」
「美玖がいいんだよ」
バカ。
勉強はできるくせに、他はバカなんだから。
「バカ」
私は舜の肩に顔を押しつけて言った。
「美玖。おかえり」
舜の大きな手が、私の背中を撫でた。
恋愛を紐解く方程式。
何が正解で、何が間違っているのか全然わからない。
舜と別れたことが正解だったのか、玲也くんと付き合ったことが間違いだったのか、未だに私にはわからない。
こうやって、また舜と付き合うことが正解なのかも――。
もしかしたら、正しい答えなんてないのかもしれない。
でも、一つ言えるのは、今の私が舜と付き合うことが幸せにつながるということ。
それだけは、確かだ。
君と私の方程式。
その答えは、幸せで間違いない。
END
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