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「中川とお前が話した後の事かと思って、それ 確かめに行ったついでに大まか言っといたぞ」 「あ、そうなんだ、面倒かけたね」 「新学期早々、お前のせいで賑やかだった。さ っさと仲間に報告してやれ、うるせぇから」 大悟だなと龍河は察する。 「中川くん何か言ってた?」 「んな時間までなかった…急いでバイト行って 終わってすぐ来たからな」 「…悪かったね…迷惑かけた」 「そーゆー意味で言ってねぇよ」 (素晴らしき龍と犬の友情) 岬はタイトルを付け、一人浸った。 「この事は中川に伝えとく、お前は仲間に連絡 してやれ」 「解った。遅いし慎に送らせる」 二人はそれを断り、柊家を後にする。 「さすが極道だな…」 「笑えないけどカッコいいね」 そんな会話を交わしながら。 一方、大和との電話を終えた中川は、 「龍ちゃんは心配ねぇって……」 ホッとしながら平井に伝えた。 「へぇ…KTファザーは柊ちゃんとこの下僕 だったんだ」 「お前っ…っっ…真面目な話でふざけんな!」 そして一気に脱力する。 「ヒカゲちゃんは、これからどうしたい?」 「そりゃお前…何も考えねぇで言ったらKT ぶん殴りてぇに決まってんだろ」 「じゃあ殴りに行こう、付き合う」 「……」 実に短絡的である。 「お前…んな簡単に…」 「どうして?ケンカ売ればいいだけだ」 「だから…KTはそーゆータイプじゃ…」 「お前を殴りたい奴が沢山いるから、せいぜい 人集めていついつ、どこどこに来いって言えば 来る」 (何でそんな確信が持てんだ) 「きっと顔は広いよ?プライド高そうだし、金 で雇ってでも集めると思うなー…こっちは最強 メンバーなんだから潰せば済む」 「…最強メンバー?」 平井が頷く。 「俺に柊ちゃんに、銀犬金猫、これ以上のタッ グある?」 「お前…何勝手に決めてんだ…」 中川は呆れ顔。 「だってさ、銀犬金猫はあの様子じゃまだKT 許してないよ?だから一緒に終わらせる」 「…んな話…乗るか?」 「乗るよ。皆でKT一人を殴ろうって言ってる んじゃないんだ、美学に反さないし、スッキリ 出来て一石二鳥」 平井は更に続ける。 「ここで動かないと、S市に逃げ帰られて終わ り。それでいいの?ヒカゲちゃん」 「…良くねぇな」 二人はニヤリと笑みを交わした。
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