762人が本棚に入れています
本棚に追加
/352ページ
「おはよー!あら、景が朝から来るなんていがーい」
次の日、レナと加奈子が一限から現れた俺を見て、嫌味を言った。
「昨日、マリと愛しあって更生したのだっ」
腕にくっつくマリが二人に言う。
レナのじっとりとした瞳。
俺は欠伸をしながら、そっぽを向いた。
「朝から社会学とかめんどくさ~」
そんなぼやきを聞きながら、大講義室に入った。
するとそこに、既に座っているその姿。
蘭子だ。
「あ、蘭子さんおはよー!」
レナが声をかけると、蘭子が顔を上げた。
俺らを視界に映すと、さっとレナだけに視線を向ける。
「おはよう」
その微笑みに、講義室にいる奴らの頬が染まる。
そっぽを向いたまま、ソイツは狂暴だぞ、と心の中でつぶやく。
昨日ぶたれた頬がまだ痛い。
「あれ?どうしたの?そのほっぺ」
逆サイドに移ったマリが俺の頬を見て言った。
「…ああ、ちょっとね」
「女にやられたんじゃないの~?」
加奈子が笑った。
最初のコメントを投稿しよう!