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「大丈夫か?」
「え、はい。多分」
「ならいい」
俺より少し背の高い、Tシャツに黒いジャケットを羽織ったその青年。
年は俺より少し上、二十代半ばくらいか。
闇に紛れそうな黒髪に黒い瞳、鋭い目付きで俺を睨んでいる。
「厄介なのに目を付けられたみたいだな」
「……え?」
「ウサギ達がウロウロしていたから、カラスと一緒にこの辺りを警戒していたんだが……」
そういや、助けてもらったんだっけ?
お礼を言っておかないと。
「あ、ありがとうございます。助けてくれた……んですよね?」
あのままだったらウサギ達に捕獲されていたかもしれない。
人間は食べないとは言ってたけどさ、やっぱ怖いじゃん。
「礼は要らない」
「いや、でも……」
「それより、一緒に来い。このままだとウサギが戻ってくるかもしれないぞ」
え、アイツらまた戻ってくんの?
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