第1章

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 関東連盟とは、東京を中心とした、埼玉、茨城、栃木、群馬、神奈川、千葉、東京、の七県の族の集合体である。 各県それぞれの代表チームのリーダーとサブリーダーの計十四名で幹部構成されていたが、全員殺し屋雹に殺されてしまった。 しかしそれ以来、新たなリーダーの座を巡って各県で小競り合いのケンカが勃発していたが、 黒金武史の計らいで、なんとか各県の新しいリーダーとサブリーダーが決定し、 新生関東連盟の旗揚げの決起集会が行われようとしていた。こうなると、関東連盟の総リーダーを決める必要がある。 その決定方法としては、一番ケンカの強い奴というのが定番だが、今回は少し事情が違う。 まずは、殺された関東連盟幹部十四人と美幻花のリーダー田中智子の弔い合戦が先だというのが大多数の意見だった。 この集会には族や愚連隊だけでなく、レディースの紫幽嬢のリーダー中村澄子や美幻花のサブリーダーの筒井理香、 そして司のタイマン相手の黒崎爛も参加している。 筒井理香は殺された田中智子の為にも、殺し屋雹を一刻も早く探し出し、殺害依頼した黒幕を吐かせるべきだと主張した。 無論、関東全域の愚連隊からレディースまで八方手を尽くして探している。 警察も公安も必死で探しているという情報も入っている。 唯一の目撃者の一人、司一十三はすでに美幻花のリーダーとなっているから雹の黒幕とは無関係だろう。 だから、まだ詳しい話を聞けていないのは、もう一人の雹の殺人現場の目撃者、橘葉子だけなのだ。 その葉子が今日の昼に、彼氏らしき人物と家に戻ってきたから拉致したという連絡が室岡から中村澄子にあった。 室岡の目的は、司一十三と黒崎爛のタイマン勝負で爛に勝たせる事だけではない。 真の狙いは、雹と白川のつながりを葉子の口から証言させる事である。 沖田からの情報によって、白川が雹に黒崎会長と鬼頭組長の殺しを依頼した事は聞き出せたが、白川に惚けられたら終わりだ。 証拠がない。それに室岡が白川に詰めよれば、沖田が室岡のスパイだとばれてしまう。
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