耕太の職場・事務所

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耕太の職場・事務所

「あ、耕太。あんたを訪ねて来た客がいたよ」 「え?」 出勤した会社で、オレは事務所のおばちゃんに声をかけられた。 「今日の作業場所を聞いていったけど」 「なにそれ。教えたの?」 「ううん。言ってもわからないだろうしね。また来るか、ここに電話してくるって言ってた」 「へえ。どんな人?」 「そうだねえ。若い男だったよ」 若い男。だれだろう?友達だったら携帯に連絡してくるだろうし。 「なかなかのイケメンだったよ」 おばちゃんはうひゃひゃと笑った。イケメン?ますます心当たりがない。 おばちゃんは嬉しそうに笑ったが、イケメンだろうがそうでなかろうが、オレには関係ないっつうの。 「ふうん。じゃ、また来たら連絡先を聞いといてよ」 「オッケー。あたしの連絡先を教えておくよ。プライベートのね」 言っとけ、おばちゃん。いや、おばあちゃん。いつも楽しそうでいいな。
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