act.1 異世界に行ったら俺の親友が女体化した件。

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 女子生徒の集団に向けて、鋭い視線を送る由希。その様子すら「可愛い」と言われる始末だ。  ささやかな抵抗も虚しくなったのか、俺の隣で大きく溜め息を吐く。 「学校なんて憂鬱だよ。早く卒業式が来ればいいのに」  浮かない顔で呟いた言葉には、妙な実感がこもっていた。 「卒業したらしたで今度は大学、もしくは会社勤めが待ってるんだけどな」 「それはそうだけどさ……。結局、昴は進学するの? それとも就職?」 「まあ、希望としては進学かな」  途端に由希が目を剥いた。「昴の成績で?」と言いたげな表情である。反論できないのが非常に辛い。 「…………。ちなみにだけど、どこを志望してるの?」 「お前、高校の時もそんなこと聞かなかったか? 成績良かったくせに、わざわざ志望校を変えて俺と同じところを受けただろ。もったいない」 「な、なんだよそれ、誤解を招く言い方するなってば」
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