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プロローグ
妹が亡くなった。
それはあまりに突然で、あまりに現実味がなくて。
でも、泣き崩れる両親を見れば嘘でないことは明らかだった。唐突に訪れた命の終わりは、私の周りの人の心を、闇に突き落とした。
どうすればいいのか分からないまま、真っ黒な日々が続いた。もう朝は来ないのではないかと思ってしまうほど、長い長い夜が、ずっと続いた。
ねぇ桃子…あなたは今どこにいて、何をしているの?
私たちが悲しみに打ちひしがれているのを見て、どう思ってる?
忘れないでほしい?それとも、忘れて笑って生きてほしい?
…分からないよ。
言ってくれなきゃ、分からないよ。
だから、怖いけど、もう一度あなたに会いに行くね。
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