Date.04 分岐点

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 彼の右手には白い布が巻かれてあり、足元では絨毯(じゅうたん)についた火が燻(くすぶ)っている。  私の視線に気づいてさっと右手を背後に隠した。少年の瞳は元どおりの黒、燃え広がる炎を映すだけとなっていた。  だが私の背後に何か見つけたのか、緊張した面持ちから一転、口角をつり上げる。  ……誰かいる!?  私は振り返り後方の大階段を見た。 「――!」  そこには、彼の片割れであるもう1人の少年が立っていた。  驚いた片割れの少年は、一瞬こちらを見た後で彼に視線を送り、何かの言葉を紡ぐ。  
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