20人が本棚に入れています
本棚に追加
/100ページ
夏が終わり、辺りはすっかり秋の気配を醸し出し始めた10月、ある日の早朝、夏生に祐介から一通のメールが届いた。
内容をみれば、それは、祐介が通う大学の学祭のお知らせと、迎えに行くからと言うメッセージ、しかも、今日の午後からと言う内容に夏生は焦る
「ちょ、祐介ったらいきなり過ぎだし、あーあ、何着てこ」
学祭へのお誘い、それは夏生にとってデートの誘いを受けた事と同じで、流石の夏生も朝からバタバタと慌ただしかった。
「どーかしたか、夏生?」
間が悪い叔父の道弘(みちひろ)が着替えを探して下着の姿の所に入ってくる、思わず夏生は『きゃー!』と声を出してしまい道弘は慌てて扉を閉めた。
「す、すまん夏生、わざとじゃなくてバタバタしてるから気になっただけなんだ、決してお前の下着姿が見たかったわけじゃねーから」
「ノックくらいしてよ、叔父さん」
「す、すまん」
しかし…と顎に手を当てて考える道弘、まさか甥にきゃーとか言われるとは考えもしなかったが、ふと、最近、夏生の女らしさが更に強くなったと感じる
「恋して、女化が更に加速したんだろうけど…まさか彼奴を理解できる男がまだいたなんてな、世の中捨てたもんじゃないか…だが、タイミング取り辛くなったろうな、彼奴は…どこでその彼に真相を話すか」
物心ついた時には自分の違いに気付いていた夏生、だからこそ、その目標は女になる事…つまり、男の身体を捨て女の身体を手に入れる、それが目標になっていた、しかし、その途中で自分を理解する祐介が現れた事は想定外
しかもそのまんまで俺の彼女でいてくれと言われそれを承諾した。
最初のコメントを投稿しよう!