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私は自分のことが大嫌いだった。
皮肉屋で、自分に対する劣等感が人一倍強かったのだ。
特に一番嫌いだったのは、この逞しい自分の外見のこと。
女にしては高めの身長である百七十センチ。
そして彫刻のようにハッキリとした顔つきのせいで、よく男に間違えられた。
子供の頃には、
「まさみちゃん、男の子みたい」
などとよく云われたものだ。
大人になってからは、周囲の人間からカッコイイ、美青年と云われるようになった。
しかし、女である私にとってそれは嬉しくとも何ともなく、ただただ苦痛であったのだ。
女の子らしく生まれてきたかったと、今までに何回思ったことか。
もう少し童顔で子供っぽい顔つきに……。
私は大学院の修士課程を修了した後、教員免許を取得して小学校の教師となった。
元々教師という職業に憧れを持っていたわけでは決してない。
自分にどうしても自信が持てなかった私は、色々と考えた末、ならば人を指導する立場になってやろう、と考えた。
ただそれだけの理由だったのだ。
教師生活一年目は、授業を受け持つことと生活に慣れることで精一杯だった。
二年目からは気持ちの方にも若干の余裕が生まれ、私は卓球部の顧問を受け持つことになる。
そこで……紅子達と出会ったんだ。
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