2050年【ウイルス性新薬研究施設・2】

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 放心状態の玲人は、野獣のように唇の端から粘性のある唾液を垂れ流し続けている結子の姿を目に映し、目頭に涙を溜め、愛する妻の名をポツリと呟く。  「……結子」  (こんなはずじゃなかった)
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