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うさぎside
…無事学園に着いたのはいいんですが、入学式は既に終わってしまったようです。
初日から遅刻し、尚且入学式をサボってしまうなんて…。
『僕はバカです。 あとで仁さんに怒られてしまうです…』
仁さんは怒ると怖いです。
仁さんの怒ったところを想像すると憂鬱になってきたです…。
うぅ…(/. _.\)
「あの、大丈夫ですか?」
頭を抱えてしゃがみこんでいると、誰かに声をかけられました。
『……ぅ?』
顔を上げて見てみると、そこには眼鏡をかけた美人さんがいました。
「…あの?」
『…ハッ! 美人さんに見とれてしまっていたです! あ、僕は大丈夫ですよ?』
「美人さん? …それより、あなた入学式に出なかった人ですよね?」
『あぅ…。 すみませんです。 遅刻してしまったです…(´・ω・`)』
頭を下げて謝ると美人さんはにっこりと笑いました。
綺麗な笑顔ですがどこか違和感があるです。
………?
「ちゃんと謝ってくれたのでそこまで怒りませんよ。取り敢えず理由を聞きたいので生徒会室に来て頂けますか?」
『生徒会室ですか?』
「はい。 申し遅れました、私は生徒会副会長、2年の如月雫です」
副会長さんなんですか。
あ、違和感の理由がわかったです!
『僕は小鳥遊うさぎです! あの、副会長さん。 その笑い方疲れませんですか? あと話し方とかもです。 僕の前では無理をしなくてもいいですよ?』
副会長さんのさっきの笑顔はどこか無理して作られた笑顔でした。
それに敬語で話す話し方もどこか無理している感じです。
だから少し違和感を感じたです。
「………てです…」
『へ??』
「私にそう言ってくれたのはあなたが初めてです」
『初めてですか?』
「はい。少し私のことを話しても宜しいでしょうか」
『はいです!』
「ありがとうございます。…私は小さい頃から全てを完璧にと求められてきました。
言葉遣いや礼儀、笑い方など、常に完璧であるようにです。
成長するにつれ、私は求められてきた“完璧”へとなることが出来ました。 証拠に今まで誰にも見破られたことはありません。まあ、幼馴染みである会長には元から知られてはいましたが。
…ですが…」
『………?』
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