§修学旅行といつもの面子§

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小原さんが教卓に立つと息を吸い込んで話し始める。 「今年の修学旅行は好きなとこに行け。以上」 「……え?」 そしてこの投げやり感。 「校長先生。それじゃ伝わりませんよ」 「え?こんなにシンプルなのにか?」 「重要情報を削ぎ落としすぎです」 「ッチ、面倒臭い」 相変わらずの小原さんですね。 非常に面倒臭そうな顔をすると小原さんの説明が始まる。 「今年の修学旅行だが先程言った通り、好きな所に行ってもらう。具体的にはグループを作ってグループごとに行きたい所を1つに絞ってもらう」 「先生、そんな事したら凄い量になりますよ?」 「まぁ待て。決まったら同じ目的地ごとに集まって大まかな段取りを決めて行動をしてもらうからそこでまとまりができる」 「それでも付き添いの先生の数は足りませんか?」 「まぁその辺は大丈夫だ。このクラス以外のを統計したら教員にあまりが出た。だからこのクラスが全員別々に移動しても問題は無い」 「……最初から行く場所を固定すれば良かったんじゃないですか?だいたいは京都、大阪、奈良、沖縄がメインじゃないですか」 「あ~、今回はアレだ。決まったところ以外に行きたい奴もいるし、自分で何処で何を知りたいってのを考えさせるのも一環だと思っての事だ。資金については積立はあるし足りない場合は俺のポケットマネーから出す。だからあんまり遠いところや高い所には行くなよ」
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