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気がつくと、麻奈は何もない空間に立っていた。正面は水の壁になっていた。麻奈が覗き込むとそこには未奈が写っていた。
「麻奈。良かったよ。麻奈が変わってくれて」
「ミナ!! ドウイウコトナノ!?」
「鏡に写ったようにそっくりな私達は、片方しか同じ世界に存在出来ない運命だったの。それに気づいた時、私はそっちの世界に引きずり込まれた」
「ナンノコトナノ!? ハヤクココカラダシテ」
「麻奈が言ったんだよ。みんな、私のことを待っているって。だから、今度は私がこっちの世界でパパやママ達と生活するよ」
「ミナ!」
「じゃあね。私のお姉ちゃん」
未奈は水鏡から離れて行った。遠くから未奈が両親と話している声が聞こえてきた。
「ミナ! モドッテキテ!!」
未奈が居なくなったことでこの空間には何もなくなった。
私は一人残されたこの何もない生活で生きていくしかなくなった。
時々、未奈が会いに来るのを楽しみにしながら。
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