515人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
扉の先に広がる光景。
真っ正面に広がった道の先には、確かに三つの大きな影が見えた。
手前に一つ。その後ろに二つ。
先に飛び出した仁の姿が目の前で消える。
違う。地を蹴って宙にいた。
まるで、ロケットの様に飛び出して、敵との距離を一瞬で詰める仁。
速い。
消えたように見えただけで、実際はただ動いただけ。
獅子のたてがみがふわりと揺れる。
距離を詰め終えた仁は、腕から生えた刃を空中にいながら構えた。
俺はその光景を見ながら、自分の役目のために走り出す。
後ろの左側を倒すことが俺の役目。
二機が横に並ぶと道を塞いでいるかの様に幅広い。
俺は手前のロボットより先に行くため、道の左脇に建つ住宅の壁を蹴った。
ほぼ同時に、仁が構えた爪を振る。
直後、高くて鋭い音が響き渡った。
俺は、仁が攻撃したロボットの左真横を通り過ぎる。
二機のロボット。
左側のロボットの視線は、前方にいるロボットの方角へ向いていた。
未だ、握り締め続けている柄。
狙いを定めたロボットの距離は三メートル前後。
『想定通りだ』
俺は光刀を抜き、目の前に立った相手を全力で斬り裂いた。
最初のコメントを投稿しよう!