失う

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肉体による戦い。 つまりレベルの戦いだ。 まずい……。そうなると、こっちが圧倒的に不利だ。 俺は光刀を構えた。 距離をとるか? 大鎌を使われたら、ひとたまりもないだろう。 「かずやああああああああああ!」 「──!」 後ろから聞こえてくる大声。 振り向いて確認すると、レッドキングダムの正門の上にシンバさん、リリルさん、アダムさんが立っていた。 声の主はシンバさん。 「自信を持て!」 自信を? 「いざとなったら、体を張って助けに行ってやるよ!」 シンバさんら三人が、同時に親指を立てて合図してくれた。 あの合図……。 『そうだ。臆するな。やれることをやろう』 修行の時にシンバさんと決めた合図だ。 あれを見るまで、冷静さを失ってすっかり忘れていた。 死神は黒い力の吸収を終えると、鎌を高く掲げる。 属性が無くなった。 光刀。“あれ”いこう……。 合図が出たからな。 『わかった』 “立ち向かう気か? その蟻ほどの非力で” 「そうだ。見せてやるよ」 王の力を……。 そして、 リミットタイムのその上を……!
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