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ブラックスターの隠れ家を囲う形で行われている警護。
幸いなのが、警護するのに立地は非常に好条件なことだった。
周りは高い山々に囲まれる形で、その合間には大地を埋め尽くす森林。
木々の間に隠れるようにできた谷の最も深い場所に洞窟がある。
そこが奴らの本拠地となっていた。
総勢2548人。
洞窟前に数人、谷底に十数名、谷の前に数十名、森林に300名、山の麓に500名、そして各山々に1700名ほどがそれぞれ構えている。
この数は、ブルーダイヤモンドのほとんど全員のメンバーだ。
さらに、山々を覆うような形で巨大な結界が張られている。
これ以上にないほど万全な警護体制。
どこから攻めてこようとも、針を通す穴すらない。
俺のポジションは、谷の目の前。
このポジションのリーダーを任されている。
このポジションは、もし敵が攻めてきた場合、最悪は絶対にここで食い止めたいところだ。
洞窟の中には、ブラックスターだけじゃなく、アロ様やホワイトマジックのシャルアネットもいる。
任務内容はブラックスターを守ることだが、必然的に洞窟を守ることが俺たちの任務内容となっているんだ。
「異常はないか?」
「異常なし」
この会話を繰り返すことによって、緊張感の弛みを無くす効果がある。
俺は自分の手の平の汗を拭った。
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