天使の運命≪1≫

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僕と彼女の出会いは大学のサークルだった。 サークルの名は “天使同好会” 。 そのサークルは別に何をする訳でもなく、ただ天使を信じるもの同士が熱く語り合い、天使について調べ、ダラダラ過ごす、変なサークルだった。 世間一般ではそういうのを、オタクと呼ぶのかもしれない。 けど実は僕より彼女の方が天使の存在を信じていて、 “『私は死んだら、絶対天使になるの』” ……が口癖だった。 天使の存在なんか童話とかでしか明かされていないし、 ギリシアの言い伝えでは、神の使者として派遣され、神意を人間に伝えて人間を守護するというもの…… しかしじゃあ、死神と天使の違いは一体何なのだろうか?
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