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あいつの考えは、俺にはよくわかる。
総司に対する恨みは最もだろう。
何しろ、俺たちの全てを奪ったと言ってもいい。
だけど、あいつに間違ったことを教えている奴が居るとしたら?
新撰組で過ごしたあいつの笑顔は嘘じゃない。
俺にはよくわかるんだ。
誰かが、あんな良い奴を騙して動かしている。
俺はそう信じているんだ。
『土方さん、僕は新撰組に入れて本当に良かったです』
『突然、何言ってんだよ』
『いえ、ずっとそう思っているんで』
『俺たちがブラックアウトをクリアできるといいな。新撰組全員で』
『ええ。僕はみんなが大切ですから』
そう、俺は信じている。
あの時に見せたお前の笑顔を……。
メインストーリーはいくつかの層に分かれている。
最後の層まで辿り着けば、ゴールが待っているんだ。
俺は全力で走り続けた。
ブラックスターの天海が、メインストーリーのトラップを大方は解除してくれている。
プレイヤー側は、ただ奥まで進めばいいんだ。
「うあああああああああああ!」
前方を走る軍団は、叫び声を上げると同時に大きく吹き飛んでいく。
現れたか。
俺は体内エネルギーを整えた。
おそらく、ここから現れる敵は全て運営委員会の幹部クラスの実力者。
どいつだろうが、邪魔する奴は容赦なく消す。
「出やがったか」
目の前に立ちふさがった敵。
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