第1章

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俺はいつも、とある古い駅で電車を待つ朝を迎える。 その時にいつも窓越しのベンチに座っている本を読んだ少女を見かける。 今日も彼女に背を向けた状態で、電車を待っていた。 するとお決まりで、必ず視線を感じる。 振り返っても、彼女は本を読んでいた。 いつもこんな感じなので、今日は思いきって話しかけてみた。 B「ねぇ、君。いつも何見てるの?」 A「……?本ですけど……。」 彼女は上目遣い気味に、俺を見た。 B「でも、俺いつも見られてる気がするんだけど。」 A「勘違いさせてすみません。別に貴方を見ている訳ではないんです。」 そう言うと、彼女は僕の背中を指差して言った。 A「貴方に憑いてる人を見てただけで。」 B「……ッ!?」 背中にゾクッと、悪寒が走った。
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