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男の座っている右隣には肉まんがおいてあり、左隣には刀がベンチに立てかけられている。
服装はTシャツに灰色のズボン。
随分ラフな格好だ。
お互いに視線は逸らすことはないが、男は肉まんをひたすら食べ続けこちらを見ている。
やがてその緊張が途切れるかのように向こうが立ち上がった。
肉まんと刀を片手ずつ持ちこちらに近づいてくる。
「ガキ、肉まん食べるか?」
「え?」
「ありがとうございます。」
俺より先に肉まんを真文が受け取る。
肉まんを差し出した手には手袋がはめられていた。
手の甲に文字が書いてある。
『誠』
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