-Memory-

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「チーちゃん……いなくなっちゃうの……?」 「うん……。私を養子にしたいって人が来たの。だから私、その人のところに行かなきゃならないの」 「ヤダよ……僕、チーちゃんがいなくなるの悲しいよ、寂しいよ、すごく嫌だよ……」 「ヨッくん、きっとまた、会えるよ」 「ホント……?」 「うん。ヨッくんが強い男の子になってれば、きっと。そしたら私のこと、迎えに来てね。約束よ?」 「……わかったよ。僕、強くなる。強くなって、必ずチーちゃんを迎えに行く! 約束するよ!」 「ありがとう……。じゃあ、約束を忘れないための、おまじないしたげる」 「おまじない?」 「前髪、上げて」 「こう……?」  --チュッ 「ぁ……」 「…………いつまでも待ってるね。ヨッくん」
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