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「おい! 起きろ!」
そんな慌ただしい声で起こされたのは、私が眠りに入ってから3時間ほどが経過した時だった。
「……どうしたの?」
異様に重たい瞼を持ち上げると、視界は霞んで見えた。
肩を揺さぶられるまで、全く気がつかなかった……?
「ヒカルがすぐに全員来いって言ってる。とりあえずついてきて!」
私を起こしたのは、ルイだった。
自分の体に異変は起きていない……。
睡魔に襲われて熟睡していたのは、酸素が薄いから?
いや……それだけじゃない。
ようやく事態の重さに気が付き始めると頭が覚醒し、私は動揺しながら立ち上がった。
特に何かされた気配はない……。
離れていくルイの背中を私は慌てて追った。
こんな馬鹿なミスをするなんて……!
いつ殺されてもおかしくはなかった……!
ルイが足を止めた先に広がる光景に、私は愕然とした。
ヒカルが屈み込み、腕の中で誰かを抱えている。
空だった。
ヒーロースーツを纏う余裕すらなかったのか、身体に深い傷を負っているようだった。
その側では……。
卑弥呼が首を切られて、仰向けの状態で死んでいた。
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