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あのヒカルの能力は、俺が見ていても分かるほど一つだけイエスよりも圧倒的に優れたポイントがある。
スピードだ。
しかも、瞬時に最大限まで加速する事ができる為、イエスは間違いなく対応できない。
ヒカルの能力があれば、この光刀に溜まったエネルギーをイエスにぶち込む事が可能なはずだ。
ただ、一つだけ大きなリスクがある。
それは、俺があのスピードについていけないという事だ。
ヒカルは使いこなす事ができるからあの能力を使っているわけだが、俺はあのスピードに体がついていかないだろう。
唯一できる事があるとすれば、星に乗ってそのまま一直線に攻撃すること。
つまり、一切の小細工ができない状況。
一発勝負で、とにかく終の型で攻撃をするしかない。
おそらく、ヒカルもそれは理解しているだろう。
となれば、答えは一つしかない。
イエスに向かって、一直線に走ることだ。
そして、黒い星に乗って終の型を放つ。
この作戦は一度しかイエスに通用しないだろう。
でも、それで良いんだ。
たった一度だけでも、この刀身をイエスに突き刺す事ができれば。
刀身がさらに重たくなっていく中、俺は小さく息を吸って吐いた。
いくぞ。
俺はイエスに向かって全力で走った。
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