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『考えてみろ。君と私の場合は、進んできた道のりがいくつも枝分かれしていたわけじゃない。ほとんど一本道さ。君は未来を知る力と過去を知る力、そしてレッドキングダムの王の力を手に入れた。終末の木の力に十分に対抗する力を持っている。だからこそ、イエスは君たちに最後の力を託したんじゃないのか』
ああ……。やるしかないってことだよな……。
『そうだ。よく見てみろ。敵の力を……』
人の形をした光は、凄まじい体内エネルギーを放っている。
それはついさっき絶望的に感じたイエスよりも遥かに強いエネルギー。
だけど、イエスとは決定的に異なる部分があった……。
今の俺なら、それを一目で判断できる。
『どうだ? 勝算が見えてきただろ?』
確かに、戦えない相手じゃないかもしれない。
光刀……黒田研究員の言っている事が本当だとしたら……。
お前は……。
『さあ、行くぞ。君と私が一番っていうところを見せてやろうじゃないか』
光刀……。
『気にするな』
俺は光刀の柄を強く握りしめた。
おそらくこの瞬間が、二人で過ごしてきた時間の中で最も大切な時間になるだろう。
そう心に決めて、世界の王に挑むことを決めたんだ。
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