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「それよりさ、昼休み、ごめんね」 「昼休み?」 昼休みのことを思い出す。 秕が手を振ってきた、あの休み時間。 なにか謝られるようなことがあっただろうか。 「ほら、アイリたちが邪魔したでしょ? みんなカナメのこと馬鹿にしてたし」 邪魔、というのはあの秕を隠した行動のことだろうか。でも後半のことは知らない。 むしろ知りたくなかった。 いや、スクールカースト最下位として馬鹿にされていることは承知の上だけれどさ。 「あいつら全然カナメのことわかってないんだもん。私にとって唯一の理解者なのにさ。頭きちゃうよね」 その割には笑ってませんでしたか、秕さん。 「全然気にしてないよ。慣れっこだし。 それに、みんなにとってはシイナと僕じゃ共通点がなにもないから。 僕なんかと関わるのは不思議で仕方ないんだろうさ」 あんな奴に関わってやる必要なんてない。 そんな感じだろう。
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