第1章

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 教室の戸を開けたら、そこには真っ赤なお花が咲いていた。  と言ってもそれはハイビスカスとかダリアとかそんな素敵なものじやない。 ・・・これは一体・・・ ・・・一体・・・ 「何がどうなってんの!!!??」 落ち着け。落ち着け私。これは夢。きっと夢だ。だってそうでしょ?昨日までワイワイやってた一高校のただの一クラスが一晩たったら”血の海”でしたって・・・。ねえ?いやいやいやいや、笑えない。冗談でも笑えない。笑えないよ。きっと昨日の夜ホラー映画をみてたから幻覚だって。ほら目を開けてみて~?きっとそこにはいつもの・・・ 「いつもの、血の海・・・何でだあああああああっ!!!」 何で、何で?何が起こってるの!?  私は走った。  どこへ?知らないよそんなの。ただ、ここではないどこかへ・・・ そうだ・・・っ! 「ハナっ!!」  ついさっき一緒に登校してきたばかりの親友のいる二つ隣のクラスに駆けつけた。 「桜?どうしたのそんなに急いで・・・」  息遣いが荒ぶる。それでも、呼吸を整えるまで待ってはいられない。 「・・・きょう・・・教室が・・・真っ赤で・・・と、とにかくやばいの!!」 「教室?真っ赤??ねえ桜、まだ寝ぼけてるんじゃない?大丈夫?ほら、ついていってあげるから顔洗って来よう?」  正直自分でもなにをいっているのかさっぱりで、何が言いたいのかすらうまくまとめられなくて。百聞は一見に如かず。口で説明するよりも実際に見てもらえばいい。 「来てっ!!」  ハナの手を強引に引いて元来た道を早足で進んだ。 「・・・いい?ハナ。これからとんでもないものを見ることになるけど、落ち着いてね?」 「・・・??・・・うん」  『いくよ』を合図にその扉をガラガラと開く。 「ぎゃああああああっ!!!!!」  地球がひっくり返りそうな悲鳴が、校舎中を駆け抜けた。 「あんたが落ち着け!!」  ゴツっ、っと鈍い音をたててハナの拳が私の頭上に突き刺さる。  どうやら叫んだのは彼女ではなく私だったらしい。 「何、どうしたの?別にいつもと変わらない何の変哲もない朝の教室の風景じゃない。」 「そうだよ!!何の変哲もない・・・」 ん??何の変哲もない??
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