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「立場が違うって…?どういうことですか?」
私も気になった。
入れ代わりで異動になったのだから、立場は同じような気がするけど。
「…はっきり言わせてもらいます。高柳さん、貴女に蘭さんの仕事を引き継ぐことは無理ですよ。蘭さんが私のパートナーとしてやって来たことを、そのまま貴女にさせるつもりはありませんから。だから引き継ぎなんて最初から必要なかったんです」
あ………。
そういう意味だったんだ、必要ないって……。
「どうして……。私では力不足だということですか?まだ引き継いでもいないのに。そんな風にいわれるなんて…」
高柳さんは、目の前の私を睨み付けた。
プライドを傷つけられた……その目はそう言っているようだった。
「高柳さんだからじゃない、他の誰でも出来ないんです。だから貴女には蘭さんとは違う仕事をしてもらいたいのです。もう既に引き継ぎ終わってますよね。だから高柳さんがこれから業務に就くにあたって何も差し支えることはないはずです」
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