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閑静な住宅街の外れ。
草が伸び、しばらく放っておかれた様の空き地に、男が数人立っていた。
「一之瀬……てめぇをぶっ潰すことにした」
空き地の真ん中あたりに立つ男は、目の前に対峙する白いシャツの男を睨みつけた。
蛇の様な眼が暗闇で光る。
白シャツの男、一之瀬光輝（いちのせてるき）はその目を見据えるように自らの目を細め、首を左に傾ける。
同時にそこから骨の鳴る音が響き、蛇目の男はこめかみに青筋を浮かばせた。
「お前ら、タイマンだから手ぇ出すんじゃねぇぞ」
蛇目が自分の後ろに立つ男達へ告げる。
「ククククッ、はいはい、わかってるって」
蛇目の斜め後ろに立っていた男は、狐の様な目を三日月型に細め妖しく笑った。
蛇目が光輝をじっと見つめたまま口を開く。
「てめぇに恨みはねぇけどよ。簡単に次期総長になられんのも納得いかねぇんだわ」
タイマン張るからには理由が必要とばかりに告げられた言葉に、光輝はやや大げさにため息を吐いた。
「俺も好きでなるんじゃねーけど、」
光輝は一度ガシガシと頭を掻くと、蛇目を見据えにやりと笑った。
「しょーがないっしょ、実力だから」
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