平行線

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「一人で帰りたいの」 「帰せるわけねえだろ?」 こんなに真っ暗なのに、と外を見ながらそう付け加えると、そのままあたしを引っ張って歩き始めた。 「やだ! 離して!」 「無理」 「お願いっ!」 「無理だって言ってんだろ!」 怒鳴り声に近い声でそう言う仁に、ひぃっ、と肩をちぢこませる。 そのまま引き摺られるように駐車場まで連れていかれて、強引に助手席に押し込まれてしまった。 そして車は走り出したけれど、少し走ったところでふと気づく。
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