書籍化御礼SS (その二)

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「じゃあ、もう呼ばないわ」 「ダメだ。たくさん呼べ。お前に呼ばれるのは好きだ」 会話をしながら、拓人は顔中にキスをする。 箍が外れると言いながら、優しいキスは言葉から程遠い。 「拓人。私も呼ばれたい」 私が手を伸ばすと、しっかりと抱き締められた。 そのまま後ろに倒され、額と額が合わさる。 指が絡められ、頭の横に縫い留められると、心臓まで掴まれてしまった。 「栞奈、今日は寝れると思うなよ」 「……うん、寝たくない。ずっと、拓人を感じていたい」 「お前が蕩けるまで、可愛がってやるよ」 それに対する返事はさせてもらえなかった。 最初から激しいキスは息つく暇もなく、すぐに思考があやふやになっていった。
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