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「よしよし。しーちゃん、渚、メソメソしてたってしょうがない。なんとかなる。大丈夫、大丈夫」 腕の中にいる二人の背中をポンポンと叩いて、励ました。 「とりあえず、二人とも俺んとこに来い」 「えっ⁉」 ガバッと勢いよく顔を上げたのは、しーちゃんだ。 真っ赤な目を大きく見開いている。 渚は、「うん。わかった」とためらうことなく、すんなり答えた。 「ちょ、ちょっと待って、渚!」 「なんで? 俺達の家、燃えちゃったから、ヒコさんちに行くしかないじゃん」 「でも、それは、あのっ」 「しーちゃん、渚の言う通りだ。一旦、俺んちに緊急避難。それともどこか行くあてあるの?」 「うっ……それは……」 「ないようだな。じゃあ、決まりだ」 「決まり!決まり~!」 泣きべそかいていた渚は、嘘のようにご機嫌で笑っている。 いわゆる『泣いたカラスがもう笑った』という奴だ。 しーちゃんは、まさかの急展開に、口半開きで呆気に取られたままだ。
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