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「あゝ、ジャパゆきさん、それはいい」
安永が横から口をはさんだ。
「どうでしょう、できれば5人ほど揃えてもらえんですか」
佐藤は陽に焼けた腕を触り電卓右手に「予算は」と訊ねる。
もう数字が出たのか佐藤、早いじゃないか。
「予算といっても自分は丸でわかりません。そこんとこはよろしく」
佐藤が法外な値を吹っかけることはあるまい、次の儲けを考えるなら。
「そうですね、パスポート、チケット込み1人30万でどうでしょう」
悪くはない。常識的な値だった。
「すると5人で150万ですね」
小林は右の人差指に左の5本指を足した。
「はい」と佐藤、落ち着いた口調でいった。
小林「空港でのエスコートはどうなります」に「こちらでします」と力強く話す佐藤。
内容は具体的にすすんだ。
安永は2人の会話を黙って耳にしていた。
そうだ、お前さんは静かに、それでいい。
「思いたったらすぐ拝んで見たくて。いつ面通しできます、レコ達とは」
小指を立てる小林、ボルテージをあげモアに火をつける。
むせた。
ゴホンゴホン。
「わかりました。急ぎ手配しましょう。明朝、連絡します。その時まで待って下さい」
「できれば髪が長くて痩せた娘が」
小林は自分の好みを押しつけたがそれには応じず「電話は57の39XXの754号室でしたね」と明後日答える佐藤。
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