笑顔に会えた日

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駐車場に急いで向かっている途中、思いがけず肩を叩く力強い手に足を止めた。 「今日は早いじゃないか」 「大木さん、ビックリさせないでくださいよ」 いつも通りちょっと緩んだネクタイでにこやかに笑っているその人は、多分今1番面倒くさい相手。 このいでたちってことは、奥さんはまだ実家から戻っていないのだろう。 「デートか?」 デートと言えなくもないけど、それ以上に緊張している俺を見逃してはくれないらしい。 「ちょっと違いますけど、似たようなものです」 「とうとう腹を括ったのか、頑張って来いよ」 たったこれだけのやりとりで、俺が姫華ではなくゆうかに会いに行くんだと読み取るあたり、やっぱりこの人は侮れない。 「ご期待に沿えるように頑張ってきます」 .
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