いちごのそーだ

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 もし、心臓が鼓動する回数を決められているとするなら、  私はきっとこの数ヶ月で、何年分もの命を使ってしまったに違いない。 「いちこちゃん」  そう言って差し出された手を躊躇いがちに掴み、そっと握る。  その度感じる貴方の体温に、私の心臓は驚くほど高速で鼓動を刻むけれど……。  誰かとすれ違う度、一瞬にして覚めてしまうのは、私に自信がないせいだと思う。
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